知って得するコラム

vol.8 子どもの見る世界-その3

( 2009年2月1日更新 )

 『子どもが見る世界は大人とちがう』理由として視野も大いに関係しています。

子どもの視野は大変狭く年齢とともに広がるのですが、大人並みになるのは11歳ぐらいです。

成長には長い年月がかかります。

 12歳のころ、視野の狭さは気にならず、むしろかわいかった思い出があります。

「オカーシャーン」と舌足らずな声で呼びかけながら私だけをじっと見つめてすがりつくかわいらしさ。

もちろんそれがわずらわしく感じられたことも多々ありました。

でも斜め横からシラッと私を見る中学生を相手にしている今、12歳児の親子が見つめ合う姿を見ると、

「ああ、宝物のような時だった」

と思ってしまいます。

まあ、過去は美化されるのかもしれませんが。

 美化されない過去は、3歳ぐらいからです。確か長女が3歳、長男が1歳のころ、

こんな光景が日常的に繰り広げられました。長男のおむつを換えようとして

「あっ、ウンチ」

というところから始まります。

私もお尻ふき用ティッシュ(以下お尻ふき)を用意してからはずせばいいのに、

ついうっかりとウンチのついたおむつを広げてしまいます。

動かれると大変なので、長男の両足をしっかり私の両手で持っておむつの上にかかげながら、

目でお尻ふきを探します。部屋の片すみに追いやられていたお尻ふきを見つけ、

「お姉ちゃん、お尻ふき取って」

と頼みます。

すぐ見つかると、長女はすぐ持ってきてくれます。

「この子も役に立つわ」

とちょっと感謝感激です。

長女もお手伝いできたことがうれしくてニコニコでした。

 しかし、「取って」の私の言葉に「どこ?」という返事が返ってくると大変です。

「どこって、そこにあるでしょ」

「そこってどこ?」

「だから、お座布団の向こう」

「向こうって何?」

・・・(向こうって知らなかったっけ)

「テレビの方よ」

と言うと、長女はテレビ画面を見ます。

「テレビを見てどうするの? お尻ふき!」

長女はしきりと顔を動かして目で探します。

お尻ふきのある床に目が止まったそのチャンスに

私はすかさず

「ほら、目の前!」

と叫びます。

しかし彼女は突然顔をあげてボーッとするのです。

今から思えばきっと目の前に何かあるのかと

目の前の空間を見ていたのだと思うのですが、

当時の私は気づきませんでした。

「何をボーッとしているの! お尻ふきを早く!」

あせった彼女は視線が定まらずあちこちやたら顔を向けて検討ちがいな方ばかり探します。

まだまだ続くバトルは次回に。

福井 聖子先生プロフィール

▲ ページの先頭へ