知って得するコラム

vol.9 子どもの見る世界-その4

( 2009年3月9日更新 )

前回の続きです。1歳の長男のウンチのおむつを替えるのに足を持った私が、3歳の長女にお尻ふきを

取ってもらおうと言葉で指示をしても一向に伝わりません。

そこで私は(しょうがないなあ)と内心ため息をつきながら、長男の両足を片手だけに持ち替えて、お尻ふきを指差します。

長女に「ほらお母さんを見てごらん」と言うと、彼女は私の顔を見つめるのです。

「ちがう! お母さんの手」、

腕を見ます。

「ちがう、指」、

彼女の視線は指に移動します。が、そこから先に視線は移動しません。

動こうとする長男の足を片手で何とか握りこみながら、もう片方の手で必死に指差し、

私はもはや冷静さを忘れて叫びます。

「ちがう、ちがう、指の先! ・・・の先や!」。

しかし、彼女の目は指に釘付けになってポカンとしています。

私の頭の中で何かがプチンとはじけて、決断の時となります。

(もういい。アンタに頼んだのが間違いや。私が自分で取るから!

)さすがにこの言葉を浴びせることは控えても、怒りが行動に現れてしまいます。

長男の足から手を離してサッと立ち上がり、ドスドス、ズカズカという足取りで長女のすぐそばにあるお尻ふきを取りに行きます。

でもこのわずかな時間に長男はきっちり寝返りをして、あたりはウンチが広がっています。

大きなため息をつきながら、もう一度しっかり足を持ち直し、もう拭くしかないとせっせと作業に取り掛かる私の耳に、

長女の泣き声が聞こえてきます。

「オネエチャンが取ってあげたかったのに・・・」。

(泣きたいのは、こっちの方。いい加減にして・・・)

こんな毎日のややこしさは経験して初めてわかったことでした。このバトルは育て方のせい? 

心の問題? ほめ方や叱り方が悪い? 

いやそれでは説明できない何か幼児特有のものがある、と体のことを調べて出会ったのが視野の未熟性でした。

子どもの視野は狭く、しかも気が焦るともっと狭くなるのです。

つまり、見え方が原因でも『幼児はややこしい』とわかりました。

このバトルは子どもが大きくなれば自然に減っていきます。

だいたい指さしの先を見てくれるのは5~6歳を過ぎてから、男の子の方が遅い感じがあり、

ほとんどの子ができるのは小学2年生以後という感じです。

そうわかれば私も2人目以後はおだやかな子育てができるはずでしたが、やはり忙しいとバトルは起こります。

変わったのは、最後の捨てゼリフが

「早く大きくなりなさい!」

になったことと、私も考え込まずに早く眠って睡眠時間を取るようにしたことでした。

福井 聖子先生プロフィール

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