( 2008年8月5日更新 )
独身バリバリ(?)の小児科医時代に比べ、3児の母となり子どもの見方がずい分変わりました。
発達についても親の立場で「なるほど!」と思うことは多いです。
子どもは新生児から成人までゆっくり発達します。
小児科の本にある発達の原則のうち、
親として一番ピンときたのは『子どもは階段状に発達する』という一文でした。
これは例えば、赤ちゃんがある日コロッと寝返りをし、できるようになるとそれからは当然のように寝返りする。
する前は階段の平な部分のように『できない』状態が続くが、
できるときは急に段差を上がり、次は上がった段を当然としてさらに次に向かうといった意味です。
「なるほど!」と思ったのは、子どもは『できるときがきたらできるが、できないときはできない』という点でした。
幼児期には子どもによってさまざまな段差が出てきます。
長女は幼稚園のころ大変な怖がりでトイレの水を流すことをすごく怖がりました。
一人でオシッコもちゃんとできるのに、トイレに行く度に私を呼ぶのです。
当時1歳と3歳を抱えて忙しい私に「来て!」と叫びます。
「あとで流しておくから」と声をかけても「いやだ、今来てくれないと出られない」と当時は妙に頑固でした。
ため息まじりの日が続きました。もちろん諭したり叱ったりしたし、本人も流せた方がいいことは知っていました。
でもできなかったんです。
ところが年長組のある日、夕方の忙しい時間帯に急に長女がニコニコ現れ「流せた!」といったのです。
そういえばトイレに行ってたんだ。そうか、できたんだ。ああ、私は解放された。この子は成長したんだ。
頭の中を思いが巡り、私もすごく嬉しくて、2人で「やった!できた!」と大喜びしました。
トイレの水の何がそんなに嬉しいのか、それが『発達』なのか、過去の私には理解できなかったでしょう。
でもできなかったことをよく知っているだけに、段差を上るわが子には感動します。
子どもはそれぞれに色んな段差があり、ずうっと上がってきているとつくづく思います。
子どもが幼かったときはできるようなったときの嬉しさが大事だと思いましたが、
ずっと後に『できないこと』があるからできたときの喜びが大きいことに気づきました。
「どうしたらできるようになるのか」と思い悩むより、
「いつになったら、できるようになるのかな」とちょっと楽しみにしてみませんか?
小さな「できた!」の積み重ねが、親としての自信、子どもの自信につながる気がします。

